言葉の水たまり

日々の生活の中で浮かんだ何気ない言葉を、消えてしまう前に掬い上げて、時には丁寧に、時には無造作に溜めておく、そんなブログです。

まっすぐ進むこと、つまづくこと

物事がうまくいってる時って、前だけを見ていれば良いんですよね。

でも、うまくいかなくなった時、初めて辺りを見渡したり、後ろを振り返ったりする気がします。

今回はそんなお話です。

 

何事もとんとん拍子に進むのは、とっても幸せなことです。つまづくことはやっぱりつらいし、出来ることならうまくいって欲しい。

でも、つまづいたりすることも決して無駄じゃない、と私は思っています。耳障りのいい、ありきたりな表現かもしれませんが。

まっすぐまっすぐ前に進んでる人は、つまづいてしまった自分の知らない、もっと先の道を知ってるかもしれません。

でも、つまづいた人は、ぐんぐん進んでいく人達がスーっと通り過ぎて見落としてしまったものを、見つけることができるかもしれないんです。

 

 

とある作品のお話です。

 

 ある旅人が、大切なものを求めて旅に出ました。旅に出る時、旅人は師に言われました。

「決して道を見失ってはならないよ。一度でも間違えてしまったら、もう二度とおまえの求めるものは見つからなくなってしまうから。」

しかし、不幸なことに旅人は道を見失ってしまいました。

力なくうつむいて途方に暮れる旅人…

しかし、再び顔を上げた彼の眼前に広がっていたのはーー

かつて旅人が求めていたもの以上の、ずっと素晴らしい世界だったのでした。

 

 失敗や寄り道をしなくちゃ見つからないものもあるっていう、私の大好きなお話です。

もしかしたら、ピンときた方もいるかもしれませんね。

 

 

私がこんなことを思うのも、すごくたくさんつまづいてきたからです。

多分、私の人生がもっともっとうまくいってたら、こんなこと思わなかったと思います。こうして言葉を溜めることの楽しさに気づかず、このブログも生まれなかったと思います。

じゃあ、私はこれで良いや、って思うんです。

色んな後悔や、こうだったら良かったのにってことは、たくさんあります。でも、うまくいかなかったからこそ、今の私がある。それだけで、たくさん失敗して、落ち込んで、悩んできた意味があると思うんです。

まあ、「今まさに悩んでる!」って時は、なかなかそんなこと思えないんですけどね。

だから、誰かが代わりに言ってあげるんです。

今、落ち込んでる人、つまづいてる人、悩んでる人。大丈夫だよ。

 

失敗なんて誰だってしたくないし、何事もうまくいってほしいと思うのが当たり前。

どっちが幸せ、どっちが良い。正解はありません。それはきっと人によって違うだろうし。

でも、つまづいた時、前に進んでる人を見て焦る必要はないんです。

そのつまづきや、寄り道が、自分にとってかけがえのないものになるかもしれない。

前に進むだけが人生じゃないよ。

それでは、また。