言葉の水たまり

日々の生活の中で浮かんだ何気ない言葉を、消えてしまう前に掬い上げて、時には丁寧に、時には無造作に溜めておく、そんなブログです。

あなたは泣くことが好きですか?

もしも「あなたは泣くことが好きですか?」と急に聞かれたら、なんて答えるでしょうか。

突然ですが、ちょっと考えてみて下さい。

 

いかがですか?好き、嫌い、分からない。自分の答えは決まったでしょうか。

こんなこと、考えたこともないかもしれませんね。私も今まで聞かれたことはありません。笑

ちょっと自分の答えを頭の片隅に置いて、これからの話を読んでみてください。

 

もしも私が同じ質問をされたら、私は「好きです」と答えます。

泣くことって、一般的には「嫌なこと、悲しいこと、恥ずかしいこと」みたいなイメージが多いかもしれません。

実際、悲しい時や悔しい時に涙が出てくることが多いと、それは嫌なイメージに繋がりやすいと思います。

私だって人前で泣くのは恥ずかしいし、それを誰かに見られることは好きではありません。

でも、泣くっていう行為は自分の心が物理的に現れる、数少ない現象だと思うんです。

どんなにつらくても、どんなに嬉しくても、やっぱり人の心って見えないんですよ。

他人にはもちろん、自分にも。

 

泣きたいわけじゃないのに、不思議と涙が溢れるってことありますよね。

これって、何より正直な心の反応だと思うんです。

笑顔って、案外適当に作れます。内心何も思っていなくても、とりあえず口角と目尻を上げておけば、楽しそうな自分が作れます。

でも涙って、本当に心が動いた時しか出てこないと思うんです。

私は、映画を見たり、本を読んでいる時に泣いてしまうことが多いのですが、涙が溢れた時って心と体の反応がぴったり同じなんです。それがすごく心地良い。

あ、自分は今、悲しいから泣いているんだな。感動したから泣いているんだな。そんな風に、不思議と自分の涙から自分の心を感じることができます。

 

あんまり感情表現が得意じゃない人って、いますよね。心では本当に嬉しい、と思っているのに、なんだかそれを上手く表現できない。私もそうです。

「うわあ!すごい!嬉しい!」って感動を素直に表せる人って、とっても素敵だと思います。見ていてこっちも幸せな気持ちになって、ついニコニコしてしまいます。

でも、それができない人もいる。

嬉しいのに上手く笑えない、幸せなのに表情が変わらない。声を上げたいのに嬉しそうな声が出ない。

そんな人でも、泣いている時だけは自分に正直になれると思うんです。  

 

仕事、勉強、映画、小説。きっかけはなんでも良いです。

もし、涙を無理やり抑え込んでしまっているのなら、一旦塞き止めている仕切りを外して、流してみちゃいましょう。

案外、心地良かったりするものですよ。

 

もちろん、泣くのは人前じゃなくて良いんです。

感動できるものに出会って、ひっそりと涙を流す。

つらいことにぶつかって、お風呂の中で思いっきり泣いてみる。

それって、とっても素敵なことだと思います。

それでは、また。